1年前の7月30日、高知県の土佐町で、1日限りのパクチーフェスを行いました。四国のど真ん中にある人口4000人のまちの、中心部から山を登って車で40分の場所でした。30人ほどが暮らす黒丸という集落は、土佐町の人でも「行ったことがない」という人が多い、最近よく聞く言葉でいう「限界集落」です。
「もう限界」ではなく「限界突破」に関心のあるパクチーハウスのスタッフは、その5カ月前に研修で訪れたこの地で、地元の方々と一緒に何かしたいと思いました。この地で地域おこし協力隊として「とさちょうものがたり」を主宰する友人・石川拓也くんと何度か「何か」「何か」「何かしようよ」と語り合った結果できたのが「1日限りのパクチーフェス」でした。
「パクチーブーム」とされてから1年が経っていました。ブームだからパクチーを扱い、おそらく次のブームが来たらそちらに乗り換える近年のフェスの類には与する気がしませんでした。
パクチーハウス東京ができたとき「そういうのは東京しかできないですよね」と多くの人が言いました。東京だってやる人とやらない人がいて、ほとんどの人はやらないですけどね。言われる度に、「どこでやってもできるよ」と心の中で思っていました。
土佐町の、限界集落の、廃校を使った施設で「何か」やろう。ここで「パクチーフェス」をできるのは僕らしかいない。たくさんの人が集まるところで売れることをやれる人はたくさんいるけど、放っておくと誰も気づかないところにパクチーをもたらす。これこそ、日本パクチー狂会創設時の僕の思いであり、僕たちがもっともやりたいことでした。
10周年で忽然と閉店することは、この時すでに決めていました。今、パクチーハウスがやっている無店舗展開の発想はまだ漠然としていました、このフェスを通じて「絶対やるべき次なる展開」だと確信しました。
30人の限界集落に、土佐町や高知県の人はもちろん、四国の他県・全国から100人が集まりました。
1周年スペシャルとして、そのときのレシピを今月末まで続けてお届けします。
土佐町の野菜でつくるパクチーサラダ
材料
・ミニトマト
・オクラ
・カラーピーマン
・コリンキー
・きゅうり
・なす
・パクチー
作り方
1
野菜を食べやすい大きさに切る。
ミニトマト…半分 オクラ…1センチくらいの輪切り きゅうり…うすぎり
カラーピーマン…みじん切りより少し大きめに コリンキー…薄い短冊切り なす…うす切りして塩もみ
2
ドレッシングを回しかける
*秘伝!パクチーサラダドレッシング(材料全部をよく混ぜる)
・粒マスタード 450g
・パク塩 20g
・ブラックペッパー 10g
・穀物酢 400cc
・EVオリーブオイル 500cc
パクチーハウスがやってきた!
黒丸への道
「1日限りのパクチーフェス」レシピ