【2015年冬パクチー研修レポート】
2007年、私はタイのシーチェンマイにいた。
大学を1年休んで、旅をしていた時のこと。
ゲストハウスの軒先で、シンハを飲んでいた。自転車で食べ物を売るおばちゃんから、薦められるがままにパパイヤサラダ(ソムタム)を買った。
ナンプラーと干しエビの香りの後に、劇的な辛さが私を襲う。舌はビリビリ痺れ、息するだけで辛さは増幅されていった。
だけど、食べることを止められなかった。舌のビリビリが脳に伝わり、思考は停止状態。なのに箸は動き続けた。とにかく目の前の(見た目は優しい)激辛を食べ続けた。笑ってしまうほどに辛いのに、本能が食べていた。
その経験から8年。私はパクチー研修で訪れた千葉の五井で、思考停止状態で、目の前のそれを食べてた。
辛い。でも、うまい。辛さが脳に伝わり、思考は停止していた。ただただ、食べていた。2015年、私は千葉の五井にいた。シンハを飲みながら。
8年たってもタイで初めてソムタムを食べた時の記憶が蘇って、楽しい気分になれた。美味しいものを提供するだけではなく、香りを嗅いだ時や口にした時、思い出してもらえる(思いを馳せれる)印象に残る料理を提供できたらと思った。
Takuma Drb
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