パクチーハウスのパクチー料理:はじめに

毎晩の「閉店スピーチ」でお伝えした、パクチーハウスのレシピを分かりやすく掲載するプロジェクトをようやく今日から始めました。まずは「はじめに」から。


はじめに


パクチーハウスは2007年11月20日の開店当初から、レシピを公開してきました。

日本パクチー狂会から始めて、「パクチー料理」というジャンルを勝手につくり、「ありえない」と言われながら世界初のパクチー料理専門店を作りました。

初期の頃のお客さんは特に好奇心旺盛で、「この料理どうやって作るの?」と聞いてくる度にレシピや食材について教えました。また開店から10カ月後には『ぱくぱく!パクチー』というレシピ本を出し、各種媒体にも積極的にレシピを公開しました。

 

秘伝のレシピという言葉があります。パクチーハウスは圧倒的に珍しい店だったので、そこにあるものは「企業の知的財産」として、すべて「秘密」にすべきなんじゃないかという発想を持つ人が多かったようです。僕たちの思いは逆でした。

 

「パクチー料理」なんてマニアックすぎることを細々とやっているだけではパクチー界が広がっていかない。誰もが家で作れるようにしたい。

 

パクチーハウスは「商圏2万キロ」。遠方からの来パクでしょっちゅう来れない人も多いし、もしかしたら一生に一度しか来ない人もいるかもしれない。そういう人にも毎日パクチーを食べてほしい。

 

レシピやアイデアはどんどん出していこう。オープンソース化することによって「パクチー料理」は経堂のマニアックな店の戯言から、世界に通用する料理のジャンルになるはず。

 

10周年を迎えるにあたって、その後についてさまざまな方向性を検討した結果、僕は店舗の閉店を選びました。その理由などについては、ほかの著作やインタビューに書いてありますので割愛しますが、2017年12月11日の電撃的発表の日から閉店の日までの89日間、毎晩、パクチータイム(8:09)に僕自身の決意表明をスピーチしました。

 

パクチーハウスが無くなっても大丈夫。全てのレシピを公開します。パクチー料理はオープンソースでさらなる発展を遂げます。パクチーの発展のためにともに歩みましょう。

 

レシピを初めて公開するのではなく、さまざまな場所で発表していたレシピをこのシリーズで一箇所にまとめ、アクセスしやすくします。また、これまで公開していなかったものも、データがある限り公開します。そして、シリーズの続きとしてパクチー料理のレシピを作ってみた人からの料理もまとめて行ければと構想しています。

 

閉店して開くのがパクチーハウス。さぁ、一緒にパクチー料理を作りましょう。

 

 

日本パクチー狂会
会長 佐谷恭

 

 

 

パクチーは寿司の薬味として使われていた【江戸時代】 #和食とパクチーの融合

「江戸時代に、パクチーは寿司の薬味として使われていた」

その情報を得たのはパクチーハウス東京をオープンするより前。その後各所でパクチーについて語る機会があり、そのことも伝えていましたが、その情報をどこで得たか忘れてしまいました。また、そのことが『料理塩梅集』という書物に記されていることは知っていましたが、原典に当たったことはありませんでした。

6月末に銀座の寿司さいしょさんとコラボイベントをして、そういえば江戸前寿司ってのは19世紀からだったなと思っていて、気づきました。『料理塩梅集』は17世紀の書物なので、その時の「寿司」ってどんな寿司だったんだろうと。

そろそろ『料理塩梅集』の原典に当たらなきゃなと思っていたら、それがネット上で閲覧できることを知りました。ただ、活字じゃないのでとても読みにくい・・・。夏休みの課題としてゆっくり読もうかと思ったのですが、しかし、せっかくだからCoreadingしてみようと思って、これを読むイベントを立てました。

お客さんの中には色々な人がいるもので、古文書を読める方が名乗り出てくれました。そして(あっという間に)見事解読。資料の該当する部分を教えてくれました。

原文はこちらをご覧ください。53ページ参照。

icheさんありがとうございます。以下、現代語訳と解釈を転載させていただきます。(太字はパクチーハウス東京で付けました)


 

【現代語訳】
一夜鮓の作り方
鰯でもなんでも、生魚(この記述がない本もある)の新しいものを使い、酢を沸かしてその魚にかけ、桶の下に敷くものとして、わけぎを少し湯びいて敷き、その上に右の魚を置いて、わけぎにも魚にもこえんどろ(コリアンダー!)を粉にして、少しずつ振掛け、重石を重くかけること。翌日取り出して食べると、上々の鮓になっている。ご飯は一切いれない。

【当時の鮓とぱくちーすし?】
当時の鮓は、塩をした魚に炊いたご飯を入れ、発酵させるなれずし(ふなずし)のようなものが一般的。「一夜鮓」も普通はそういう作り方だが、ここではご飯を一切使わないとのことなので、むしろ、後の「生すし(きずし=今も関西で〆サバのこと)」②に近いのではないか。「こゑんどろ」(コリアンダー)は「粉にして」とあるので、パクチーというより、コリアンダーシードを山椒の様に使って、湯がいたわけぎと青背の魚を合わせた和風マリネの様なものかと思われる。


 

江戸前寿司のわさびのように、ご飯とネタの間にパクチーを挟んでいる姿を想像していましたが全然違うようです。

パクチーを通して、寿司の歴史を学ぶこともできました。 このレシピで、一度試してみなきゃですね。

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『料理塩梅集』の該当箇所を知り、喜ぶ日本パクチー狂会・会長

クセになる!パクチーレシピブック

パクチーの日まであと89日!

パクチーのニュースを見かけない日はないぐらいの状況となりました。パクチー狂会旗揚げから約11年。とても嬉しいです。

昨秋発売のムック本『絶品パクチーレシピ』で一緒に掲載されたエダジュンさんが、6月2日にパクチーのレシピ本を出版するそうです。おめでとうございます。拝見するのが楽しみです! たくさんの料理人により、どんどんパクチーのレシピ本が出るといいな。「パクチーは薬味から主役へ」というスローガンで日本パクチー狂会を始めましたが、先日のお台場でのパクチーライブにおいて「パクチーはブームから文化へ」と宣言しました。普通の家庭にはパクチーが冷蔵庫に入っている、そんな時代も近い!?

では、みなさん、ガンガン買って、パクパク食べて、どんどんオススメしてください。


 

僕のパクチー本もよろしくお願いします!(笑)

 

 

エダジュンさんと一緒に載っているムック本はこちらです。

 

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パクチーの本出ました

ぱくぱく!パクチーみんなで作るパクチー料理に次いで新たなパクチー本が出ました。今回はパクチーハウス東京の本ではありませんが。

パクチーを載せただけのメニューもありますが、とにかくすべてのレシピにパクチーを入れた本が、うち以外から出たことはとても嬉しいし、記念すべき出来事だと思っています。著者の北嶋佳奈さん、オークラ出版さん、ありがとう&おめでとうございます。

税抜or税込価格を890円にすべしと提案したのですが、受け入れられませんでした(笑)が、890円でお釣りが来るというお買い得レシピ本です。

一家に一冊どうぞ!

 

パクチーハウス東京の本もよろしくお願いします。

 

 

 

パク塩で鮮やか! パク酒ソルティドッグ

パク酒ソルティドッグが新しくなりました。

パク塩リニューアルで、ますます鮮やかな色に! 旨味のある「ひんぎゃのパク塩」で、お酒がますます進んでしまいます!

【パク酒ソルティドッグ・レシピ】

1. グラスのフチにレモン汁をつける
2. お皿にパク塩を載せ、1を逆さにして塩をつける
3. グラスに氷とパク酒(ウォッカにパクチーの種を漬け込んだもの)45ml、グレープフルーツジュース(適量)を入れ、軽く混ぜればできあがり

2’59cooking 使ってみました

Kyo paxiです。

259cookingの速水さんが来てくれました。レシピを動画で紹介できるアプリということで、先日投稿してみたらtwitterで連絡をいただきました。これまでいくつかのサイトでレシピ公開してきましたが、サービスが終わっちゃって消えたのも多いので、改めてチャレンジしたいと思います。

パクチーハウスはそのオープンの前から、レシピを公開することに積極的です。「パクチー料理」というジャンルを勝手に作ったものでうちのオリジナルも多いのですが、すべての情報は公開し、たくさんの人の手によりパクチー料理が発展していけば嬉しいと思っているからです。

すべてのお客さんが、パクチーハウスにいるときも、いないときも、パクチーを食べまくっている状態を作りたいです。

 

では、259cookingへの最初の投稿をどうぞ。パク天です。

http://259cooking.com/user/515/
paxi-tempra