飲食店のカラクリ

パクチーハウスの食材の調達先について選択肢を広げておこうと、飲食店向け通販大手の資料を取り寄せた。
封筒を開けてみて愕然。居酒屋のメニューそのものだった。
掲載された商品のほとんどが半製品。揚げるだけ、レンジでチンするだけでできるのです。いやーこれは便利だ。いつも安定した味が出せるし、食材のロスも防げるし。
ページをめくっていて切なくなってしまった。経営が効率的に成り立つとしても、こういうものを出すのを仕事にしていると、食べ物が嫌いになってしまうのではないか。こうした冷凍食品を“調理”し続けて調理師になった人は、どんな料理を作るのだろうか。
小さくてこだわりのありそうな店に入って、チェーン店と変わらぬラインナップ・味付けでガッカリしたことが何度もある。パンフレットを見ながら、過去のガッカリがた〜くさん蘇ってきた。そういうカラクリだったのか。
パクチーハウスでは、こういうカタログの商品は使いません。季節によって野菜の味が変わり、味付けも変えざるを得ないでしょう。来てくれた人が楽しく過ごし、食の楽しみを感じるためには、どこの店でも同じ味のものを出すよりも、食材や味付けに季節感を出すことがより重要だと考えます。