こんばんは。Kyo paxiです。今日は先日のパクチーの日から数量限定で発売している「夏の夜のパクパクセット~パクチー麺 & Hカレーピンク~」について書きます。
このセットはパクチーハウス東京と浜松で活動している“地球を救うカレーライス”の「Spice Cafe Bija」(2012年11月まで営業。現在はネット通販やフェスなど)とのコラボ商品です。
Bija店主の清川孝男くんと出会ったのは、西麻布にあるベトナム料理の名店「キッチン」でのことでした。日本パクチー狂会の会合をしたいと料理研究家の植松良枝さん(日本パクチー狂会を創設した日にキッチンスタジオを提供してくれた人で、僕の高校時代の同級生でもあります)にこの店を紹介してもらい、パクチーもりもりのパーティを開いた時に来てくれていました(2006年6月)。
当時の僕は、パクチーハウス東京を創ることなど考えたこともなかったし、飲食店を開くなんて予想もしていなかったです。半分冗談で作った日本パクチー狂会をどこまで人を集めるツールとして育てられるか、そしてそれによりどのぐらい面白い人がつながるだろうかと思って、不定期で会合を開いていました。
僕が清川くんに初めて会ったとき、彼はニューヨーク大学のFood Studiesで修士を取得してカレー屋を開くと自己紹介してくれました。たくさん人がいる中で、コンセプトの中身をしっかり聞いたわけではないので、その時はカレー屋を始める意味をよく知らないまま、そんなにカレーが好きなんだなと思うにとどまりました。
それから半年強経った2007年初め、とある友人の結婚式に出席したところ、どこかで見たことのある人と出くわしました。お互い「あれ?」っと気づき、やがてほぼ同時に「もしかしてパクチー」「もしかしてカレー」と言い合ったのが懐かしいです。そのとき僕は長男の出産を翌月に控えていて、自分で会社を創ることを決めていました。まだ何をやるかは定かでなかったのですが、起業することを決めていたので、清川くんに状況をいろいろ聞きました。
そのときのBijaの状況は、物件がほぼ確定し、一緒に立ち上げるメンバーも固まりつつあるという段階でした。彼がやるカレー屋さんは単にカレーを出すだけでなく、カレーを通じて食や地球の環境について考えてもらう機会を作ることを目的としていることを知りました。僕もそのときは、株式会社を作るかNPOを作るかも決めかねていたし、事業内容は全く決まっていなかったが、起業に向けて着実に歩みを進めている彼の話はタイムリーでとても勉強になりました。また、どういう組織形態にするにせよ「旅と平和」という現在会社名にしているキーワードをもとに事業をしようと考えていたので、お互い通じ合うものがあると思い、このときに仲良くなりました。
それから2カ月後、32歳になろうというタイミングで、僕はパクチー料理専門店を作ろう、そして paxi( = pax + i )というスペルに「旅と平和」という想いを込め、これまでにないスタイルの飲食店を作ろうと思いつきました。飲食店をやること自体そのとき初めて考えたので、どう準備してよいか分からず、事業計画やコンセプト、各種資料を作る過程でBijaのブログを参考にして組み立てていきました。
Bijaは2007年5月にオープン、パクチーハウス東京は2007年11月にオープンしました。それぞれの店の運営に奔走しつつ、分からないことがあると連絡を取ったり、飲食店経営の悩みを共有したりもしていました。
パクチーハウス東京はオープン前は「ありえない」とよく言われましたが(今でもたまに言われますが ^^;)“パクチーに特化したニッチな業態”として予想以上に注目してもらえました。その結果、日々の忙しさに、どんどん流されていました。今日が終わると、寝て起きたら明日が始まるので、その流れに流されてしまうのでした。そんな時に、Bijaの2周年記念を祝いに浜松に訪れ、改めてBijaのコンセプトを聞いたときに、自分たちのやり方を見直すべきだと思い、清川くんと一緒に何かやりたいと強く思いました。
Bija@paxihouseという名前でランチの提供をしたいと清川くんに提案したのは、そんな流れがあったからでした。Bijaのコンセプトを使わせてもらいながら、パクチーハウスの食材も少しずつ普通に売られている野菜から“地球を救う食材”に変えていきたい、その過程でBijaブランドの知名度を上げるお手伝いができればいいなと思っていました。
清川くんがこの提案に賛同してくれ、Bijaの地球を救うカレーライスを2009年11月から2010年12月までランチタイムメニューとして提供しました。ベースのカレーを浜松で製造してもらい、東京近郊の有機野菜とフェアトレードのスパイスを加えて商品としていました。
「カレーは飲み物です」という言葉もあるぐらい、カレーは早食いの象徴となっています。そして日本人のランチは掻き込んでおしまいという人が少なくありません。でも、Bijaのコンセプト通り「地産地消・オーガニック・フェアトレード」を兼ね備えたカレーでしたので、味わってゆっくり食べてほしいと思いました。色々考えた結果、「カレーの原点に帰る」(この発言も最初は冗談に近かったのですが)ことで、手食カレーというコンセプトを追加しました。温度を感じ、咀嚼の一部を手で行い、意外と難しい手で食べる行為をお客さんにやってもらいました。手食をお客さんに推奨し、日本手食協会を作ったことは、現在のパクチーハウスの「TACO PAX(タコパク)」ランチに引き継がれていますし、今年のパクチーの日を「手食パーティ」にしたのもBijaの食についての考察を端に発しています。
ランチに地球を救うカレーライスを提供する試みは、経営上の都合でストップしてしまいましたが、Bijaの食材コンセプトは、いつも心に留め置いています。パクチーハウスの食材はBijaのそれのように未だに徹底はしていませんが、すでに取引のあるパクチー農家さんを中心に、信頼できる(よく知っている)人が作る食材の比率をあげて行こうと考えています。
Bijaの店舗は昨年11月に一旦終了し、通販やイベントでの営業をしています。少し時間ができた清川くんは、しばらくできなかった原点の旅をしたりもしつつ、次なる展開の準備をしています。4月に名古屋を一緒に訪れ、5月に熊本で会いました。その過程で再び小さなコラボをしようという話になり、夏バテに効果のあるパクチー麺とHカレーのピンクをセットで販売することを決めました。
少しずつ秋の気配も見え始めましたが、温度変化も激しくなりつつ基本的には暑い日々がもう少し続きそうです。真夏の夜の夢のセットとして、Hカレーとパクチー麺をどうぞ! 僕と清川くんの友情セットでもあります!
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