8月9日。パクチーの日。
15年前に日本パクチー狂会設立直後に制定し、それから毎年なにかイベントをしている。今年は、拠点を設けた鋸南町(きょなんまち:千葉県安房郡)にて、パクチーハウス鋸南を開催。
鋸南町(+南房総地域)の人たちにパクチー料理を食べていただきたいという意図の企画。お手伝いを募集したら、パクチーハウス東京時代からの常連さんで友人のEちゃんが来てくれた。前夜からパクチー料理を一緒に仕込んだ。
朝からIoT新スポーツ「SASSEN」と「どこでもバンジーVR」の体験会もあり、鋸南エアルポルトは入れ替わり立ち替わりたくさんの人出があった。広い空間でそれぞれ楽しんでもらいつつ、裏番組で料理を仕上げた。
何度も鋸南エアルポルトの「いつもの飲み会」に来てくれている人や、わざわざ遠くから来てくれた人はもちろん、近所の方も少数ながら立ち寄ってくれ、パクチー料理を食べてくれた。
15時から21時ごろまでの長時間開催、しかも会場は屋外(鋸南エアルポルトの駐車場)というのは表向きには“3密を避ける”という表現だ。同じ時間にたくさんの人が集まらないように、そして空気がよく流れるように。それはそれは気持ち良い空間となった。
でも実はこういうスタイルにしたのは別の意図があった。鋸南エアルポルトのある長狭街道は、鋸南町のメインストリートなので結構な交通量がある。特に土日祝日は信号に引っかかった車で長蛇の列ができるぐらいだ。多くの車がエアルポルト前に停車する。
地元の人、行き交う人に、パクチーハウスというシーンを見せること。人が笑顔でいい時間を過ごす。もともとお互いを知っている人も、そうでない人も。いろいろな種類の人たちが自由に出入りして、交流していく。それぞれが見るのは一瞬だろうけど、そんなシーンを保田に作り出し、まちに開くのが目的だった。
やっていることは経堂時代と同じ。パクチーハウス東京は2階にあったため、外からみてもらえることはなかった。ライブ配信や動画撮影も結構した。店に入った瞬間、イメージと違ったと笑顔をほころばせる人も多かった。無店舗展開にして、いろいろなところでパクチーハウスをしているが、ここまで開けた空間はなかった。
鋸南エアルポルトのアーティストページに、僕自身も名を連ねている。パクチーアーティストとしてパクチー料理をこれまでにない形で普及するというとわかりやすいけど、本当にやりたいことはすでに25年以上やっている場作りだし、面白い場を作って参加してもらうことはもちろん、それを超えて、そういう場が目に見える形でまちに存在することをインスタレーションとして提示したい。
パクチーハウスの創世記から「パクチー好き」だけをターゲットにしなかったように。自分のテーマであるパクチーはうまく活用しつつ、鋸南のことを知る人も知らない人も、この場所に惹きつけられるような仕掛けを考えていきたい。パクチーハウス鋸南はその第一弾だ。